台風の影響で午前中は小雨交じりであったが、午後からは再び残暑の陽射しが照りつけた。飼育中の昆虫たちの食草を採取しに園内に出たが、なにか面白い虫はいないものかと目は虫探しのまなざしであった。クヌギの低木を見上げて虫らしきシルエットに焦点が合った。ホソバシャチホコの終齢幼虫が固そうなクヌギの葉をバリバリと食べているシーンであった。幼虫期に個性的なスタイルが多いシャチホコガのなかまだが、ホソバシャチホコは部分枯れの葉でも演出しているかのようないでたちである。しかし、その模様のディテールはとても複雑で、しいていえばイラガの若齢幼虫がなめとるように葉を食べた食跡のように、茶色く残された葉脈を再現しているかのようにも見える。.いずれにしても、ここまで細かな模様の意味とは何なのか問いかけたくなるのであった。