アブラゼミを撮影しようと、とある神社に出掛けた。ここは、昨年仲間に教えてもらった場所だが、街中にあるにもかかわらずとてもセミが多い場所なのだ。意外とこういう場所のほうが、セミが集中していて観察がしやすいことがある。それでも少し気が早かったようで、成虫はまだ出始めで少なく、この頃は警戒心が強くて撮影にならなかった。幼虫を探すのも目的だったので、今度はひたすら地面を見て、今晩羽化する幼虫の入った穴を探し始めた。時間は午後2時をまわった頃だったが、一匹目の幼虫を発見することができた。今日の夜は「セミの羽化の観察会」があり、その観察用サンプルにと思ったが、時間がだいぶあり、弱ってしまってもいけないと思って、手ごろな枝に登らせることにした。意外にもすんなりと、サクラの葉裏に足場を決めて、じっとして動かなくなった。すぐに羽化するかどうかは半信半疑であったが、4時近くなって羽化が始まったのだった。いつもだったら、セミの羽化は室内でセットをつくり、ストロボを3灯使ってじっくり撮るのだが、まだ明るい屋外で、しかも簡易的な道具でどこまで撮れるか、半分楽しみながら撮影してみた。