夏本番の昆虫の森で、何かニュースはないかと思っていた矢先、「ノコギリクワガタが鈴なりになっている」との情報を得た！自分の目で見るまでは、どの程度をもって「鈴なり」という表現を使えるかが微妙であると思ったが、信頼の厚い情報提供者を信じて現場に向かった。そして・・・確かに「鈴なり」であったのだ！昆虫の森ではヤナギの類を数多く植栽しているが、それなりに樹液を出し、様々な昆虫が見られる。しかし、その場所の光景は、今までに見たことのない異様なもので、限られた場所の集中した4本のヤナギ（おそらくタチヤナギとカワヤナギ）に、大中小様々なノコギリクワガタが細い小枝にしがみついているのだ。交尾している個体がほとんどで、メスが樹皮をけずりとってそこから染み出る樹液を吸っている様子であった。かき集めれば100匹くらい軽く集まりそうなくらいいる。この「ノコギリ鈴なり現象」を写真で表現したいと思ったが、悔しいことに、木の大きさに対して、クワガタは小さく、クワガタと確認できる画角内の鈴なりがなかなか表現できなかった。情報提供者いわく、今年の夏の最高のサプライズらしい。僕にとっても、当然サプライズそのもので、身近なノコギリクワガタであっても、まだまだ計り知れない行動があるのだと思い知らされる出来事であった。