2007.8.15 ケラ調査

ケラは、僕にとってもっとも思い入れの深い昆虫のひとつだ、というのも記憶に残る最初の昆虫がケラなのだ、手のひらに包むと、ちょっと痛いくらいに指の股を潜り込もうとする前脚の力強さを今でも忘れない。僕が3歳のときの強烈な思い出なのだ。いいオヤジになってもケラの対する愛着は変わることがない。そんなケラも稲や野菜を荒らす害虫として名高く、その生活史はよく調べられていると思っていたが、意外と生活史の詳細に触れた文献も少ないようだ。ある日、ケラが大好きな職場の仲間が、ケラの翅には長いのと短いのがあり、飛べるのは長いほうだけだと言い出した。というのもケラ捕獲用ライトトラップに入るのはいずれも翅が長く、土中採集するケラには翅が短いものがいるという事実に気がついたのだった。ネット上でいろいろと調べてみると、すでに翅型の2型があるということはわかっているようであったが、納得のいく記述は見当たらなかった。そこで、昆虫の森の中のケラの翅型を調査しようという話になり、各所にトラップを設置して連日捕獲個体の令期や翅型を調べている。数日の調査でわかったことは、この時期、終令幼虫がもっとも多く、これから羽化のピークを迎えるようである。果たして、秋羽化個体に、どの程度の割合で、翅の2型が存在することになるか今から楽しみだ。しかし、1センチ前後の幼虫も多く、幼虫越冬個体との関連も見逃せず、気長にデータをとってみようと思うのだ。



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