8月17日に採集したウラギンシジミの幼虫たちがぞくぞくと蛹へと変貌をとげた。蛹の形も他のチョウと比べるとかなり異質な雰囲気が漂っている。チョウの蛹は帯蛹と垂蛹に大別されるが、シジミチョウの仲間は帯蛹に属し、アゲハやシロチョウ科と同じく腹部末端を固定しつつ、糸を一本の帯状にして胸部を支えている。しかしウラギンシジミの蛹に胸部を支える帯状の糸は見当たらない。ではどのように体を固定しているかというと、葉っぱとの設置面を広く保つ蛹形状を生かし、蛹化時に出す接着剤のような物質で、体を固定するのだ。形も寸詰まりのいわゆる饅頭型で、かなり個性が強い。姿形を変化させて成長していく変態という要素は、昆虫たちの世界を2倍も3倍も楽しいものにしているに違いないが、ウラギンシジミのその際立った世界に数日間釘付けとなったしまった。