2007.9.20 ヒメアカネ

アカトンボのシーズンが真っ盛りであるが、なかなか今まで出会うことが出来なかったのがヒメアカネであった。いわゆるアカトンボと言われるアカトンボ属最小のトンボであるが、昆虫の森では、過去の記録はあるものの、ここ数年皆無に等しいほど稀なアカトンボであった。生息地の情報を得て、秋なのに夏日のような今日、ヒメアカネを探し求めて某所に出掛けた。湿地に着くと、当たり前のようにヒメアカネのオスが低い枝や草の上に見られた。他のアカネ類より、低い空間を飛ぶように思われた。オスのポートレートをとりあえず収めたが、メスが見当たらない。メスはおそらく草原のどこかに潜んで、産卵の時だけ水辺に来る様子であった。しばらくしして、やっと交尾の個体を発見できた。交尾個体は、他のオスの猛烈なアタックを受けながら、なんとか交尾を持続しようと、入り組んだ草間に入り込んで静止する様子が観察できた。水田など、オープンな環境でダイナミックな配偶行動を演じる多くのアカトンボ類に比べると、なにか他のアカトンボにはない、奥ゆかしさがあり、品のあるアカトンボのように感じた。秋とは思えない炎天下で、ヒメアカネの繰り広げる小さな湿地の出来事に、時間が経つのも忘れて見入ってしまった。



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