カイコの一連の撮影もいよいよ大詰めで、今日、まゆの中で蛹に脱皮する様子の撮影ができた。振り返ると、なにか肝心な部分の撮り残しがないかと不安になるが、もう後戻りはできない状況で、残りの羽化、交尾、産卵など一生にかかわるカットはきっちりと押さえたいところだ。最終的に、一冊にまとめられた本として、見る人になにを伝えたいかがはっきりした中で撮影に望まないと、なかなかよい作品には仕上がらないというのがこの世界だ。自分の大好きな虫は、以外とこの部分で悩むことはない。しかし、今回「カイコ」というテーマは、結構、僕を悩ませてくれたのだが、嫌いではないが、伝えたいこだわりがないという中で、「どう見せたら、子供たちはおもしろいと思うか？」なかなかの試練のテーマであった。
残された時間とチャンスの中で、精いっぱいチャレンジしてみたいと思うのだ。