2007.11.12 晩秋を告げる洒落た蛾

 朝の冷え込みが厳しくなりと、葉の色づきもいちだんと加速してくる。この時期を待ちわびたように発生する大型の蛾がウスタビガとヒメヤママユだ、ヒメヤママユのほうが一足早く発生し、それを追うようにウスタビガが出現する。両者とも、新緑のころに孵化し、6月中にはマユをつくり蛹化するのだが、その後はじっとこの時期が来るのを待っているのだ。ウスタビガの色は、黄葉した木々の葉と同じ色合いなのが不思議だ。保護色といえばそれまでだが、あまりにも出現するタイミングを心得ているかのようだ。ヤママユガ科特有の目玉模様部分が透明化しているのは、まったく機能的に意味不明だが「おしゃれなのかな」と思うと納得してしまう。
 ヒメヤママユの色彩もまたなんとも秋らしい。上翅の上部あたりが微妙にピンクがかり、茶色を基調としながらも、コントラストのきいたメリハリ感を出している。胴体を包む毛足の長い羽毛も、なんとも温かそうでいい。
両者とも、ずっと変わることの無い、定番秋冬コレクションなのだ。 



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