2007.11.17 ウスタビガの触角

 ウスタビガのメスは、羽化当日はマユから飛び立たず、そこでフェロモンを出してオスを呼び、たいがいその晩から朝方にかけて交尾を行う。メスを探し出すためのオスの触角は見事な羽毛型で、いかに大事な器官であるかがわかりやすい。
 2年前のこの時期、こんなことがあった。網室でウスタビガを飼育し、羽化のピークを迎えたときのことだ。朝方、未交尾のメスがいくつかマユにぶらさがってフェロモンを出していた。すると、野外のオスが数匹、網室のネットに向かって飛んできたのだ。昆虫の森では、ウスタビガは決して多い蛾とはいえないが、広大なフィールドで、野外のオスたちが網室に飛んできたシーンはとても印象的で、まさに、オスの触角の感度を実感する出来事であった。
 



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