2007.12.14 オオシママドボタルの交尾

 オオシママドボタルが続々と羽化を始めた。オスが先に羽化し、その後メスが2週間ほど遅く羽化したのだが、当初、オスの寿命が尽きる前にメスが羽化してくれるか心配であったが、意外にもオスは長生きで、なんとか成虫期が同調し、交尾をするにいたったのだ。
 ホタルといえば発光をシグナルとして雌雄が出会うことは有名な話だが、このオオシママドボタルは、オスの成虫がよく発光するのに対しメスは光らない。興味深いのは、メスでも羽化直前の蛹までは光っているのに、羽化と同時に発光しなくなってしまう。それにしても、甲虫とは思えないその外観もまた不思議だ。このような成虫形態をネオテニー(幼形成熟)と言うらしいが、蛹の姿と大差がなく、巨漢に対して脚は貧弱で、のそのそと歩くだけなのである。そんな移動能力がないメスはどのようにしてオスと出会うのだろう。
 羽化したメスをオスの成虫と対面させると、オスは触角をぴこぴこと動かしてメスに近づき、たちまちメスはオスに取り囲まれてしまった。どうやら強烈なフェロモンを放出しているようだ。
 こんな冬のホタルの不思議な生態は、昆虫観察館の2階でこぢんまりと展示してある。冬はお客さんが少ないが、多くの人に是非見てもらいたい。



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