2008.3.14 壁に貼りついていたコウモリ

コンクリート建築の昆虫の森には、そそり立つ壁がいくつもある。無表情なグレーの壁は、いつも視界に入りながら当たり前の風景として特に気にも留めず通り過ぎている。しかし、今日の朝はいつもと違う何かを感じた。それは、2.5メートルほどの位置に5センチほどの黒っぽい塊がポツリと付いていたのだ。遠目に見て泥ではないが何かの拍子で付いたゴミであろうと思っていた。
午後になって再びその異物が目に入り、近づいてみるとなんとそれは「コウモリ」であった。
いつものねぐらに帰れず、とりあえずここで一夜ならぬ昼間を過ごすことになったようである。
スクープとしてはおもしろいと思って、脚立を持ち出し就寝中に失礼してカメラを向けた。かわいらしい寝顔であったが、まったく動く様子もなく生きているのか疑いたくもなった。おなかのあたりをつっついてみると、突然口が開き、赤々とした肉食獣の口元を見せ付けて「チィーー」と高い声を発したのだった。 その形相はホラー映画さながらの迫力ある恐ろしさであった。



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