2008.3.29 コオロギ相撲

夏に向けての企画展の準備があわただしくなってきたが、今回は相棒が担当で、僕は少し楽をさせてもらえそうだ。テーマは人の暮らしと昆虫の結びつきを取り上げたもので、昆虫にまつわる文化史や最近のテクノロジーなど盛りだくさんの内容となりそうだ、そんな中で中国で古くから大衆の娯楽として親しまれている闘蟋(とうしつ)いわゆるコオロギ相撲についても触れられる。
コオロギ相撲は、昆虫の森のプログラムでも定番だが、今回の企画展では、本場中国の道具を取り寄せての気合が入った紹介となる予定だ。そんな紹介パネル用の撮影を頼まれて本物の土俵でフタホシコオロギを闘わせて見た。
コオロギ相撲担当者に手伝ってもらい、威勢の良さそうな二匹を土俵に入れてまずは触角を筆でなでて、闘志を駆り立てた。大アゴを目いっぱい開いて闘う気力満々のところで仕切り板をはずし試合開始だ。勝負は意外にもあっけなくついてしまうのだが、噛み合う犬のごとく瞬間的にはとても激しい闘いである。敗者はそそくさとお尻を向けて逃げてしまい、勝者は勝ち誇ったように「リィーリィー」と鳴くのである。面白いのは、敗者はしばらく弱気で立ち直りに時間がかかるらしい。虫にも心がある証拠かもしれない。



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