2008.4.10 コミスジ 春の変身

昨年の秋、クズやハギの葉っぱで見かけて採集しておいたコミスジの幼虫が、無事に冬を越して蛹になり始めた。
コミスジは5令期の幼虫で冬を過ごすのだが、秋の間に成熟し、地面に積もった落ち葉の下で春を待つというパターンなのだ。そして暖かくなり始めた今頃、枯れ枝など手短な場所に登って蛹となり5月ごろから成虫が現れる。
チョウといえどもいろいろな冬越しの姿があるが、僕としてはこのパターンはちょっと気になるのだ。幼虫の姿で冬越しするメリットと、蛹になることのデメリットの狭間でこんなパターンに落ち着くことになったのか、それとも、幼虫越冬が主流のミスジチョウ属の特徴を強く残した兄弟のしがらみなのか・・・
幼虫の姿も変わっているが、蛹の姿も縮れた枯れ草のようで、野外ではまず発見できないだろう。正面から見た姿は、枝にぶら下がるコウモリのようで面白い。
新緑まばゆい刻々と春が進むフィールドで、コミスジがかわいらしく飛び交う季節も、もうすぐそこだ。



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