この時期、ライトトラップに入る蛾の種数もかなり限られるが、比較的多く目にするのがゴマケンモンだ。ウメスギゴケに似た模様は見事なカムフラージュ効果がありそうだが、このあたりでは肝心なウメスギゴケはそれほど多いものではない。枯葉や樹皮のように普遍的にある環境に比べるとかなり局所的な場所といえる。
実際、茶色い幹で堂々と止まるゴメケンモンを見たことがあるが、青い地衣類がはびこった数少ない樹皮で見たことは一度もない。
どのくらい似ているか、色合わせのごとく地衣類の生えた樹皮にとまらせてみることにした。
薄緑色はほぼ100パーセント同調していて、コントラストのついた模様も見事であることが改めてわかった。ここまでよく似ていれば、どんな場所に止まってもそこに生えて小さな地衣類として鳥も見逃してしまうのかもしれない。
PS この蛾はゴマケンモンではなくケンモンミドリキリガであることが発覚しました。不勉強で失礼しました。2011.11.7