先日断面を出したオオスズメバチの巣の様子を今日見に行くことにした。すると、働き蜂の姿は皆無でどうやら巣を見捨てたらしい。オス蜂と新女王だけが巣から見え隠れしていたので巣を回収することを決断した。しかし、松の切り株とからんだこの巣は原型をとどめて掘り出すことは難しく、途中で重なる巣板が分離してしまった。結局、巣の標本はあきらめて巣板のいくつかを回収し、中の様子を撮影することにした。
ドーム状の白いふたをはがすと同じ顔をした蛹がいくつも現れた。発育状態が中心に向かって進行し、規則正しく整列する蛹の様子はまるでハチの生産工場だ。
中心部のマユ状のふたに小さな穴が開きだしたと思ったら、ハチの大アゴが見え隠れしていた。次第に穴が大きくなって新女王蜂があらわれた。
完成したハチロボットが製造ドックからあらわれたかのような光景であった。