先月、相棒が行った西表、石垣島採集での成果にコバネコロギスがいた。コロギス好きの僕にはなかなかのいいお土産となったが、その時点ではまだ幼虫で、最近やっと成虫となり「小翅」の生えた姿となった。
この辺りにも生息するハネナシコロギスに似るが、それよりも大きくコロギスとの中間的な大きさで、鮮やかな発色のよいオレンジ色と腹部背側のゼブラストライプが個性的だ。命名の由来にもなっている翅の部分は、成虫でやっと痕跡的な翅芽程度の大きさしかない。
直翅類の中でも異端的なグループのコロギスだが、「ハネナシ」がいて「コバネ」がいて「ハネアリ・・・」という名前はないが、翅を使って鳴かない生活史の中で、退化していったものと存続したものの枝別れが進化的にとても興味深い。