5月11日のシロスジカミキリ発生を確認して以来、園内各所の発生木を毎日のように見てまわっていた。今年、成虫が数頭出るであろうと見込んでいた木があったが、21日にやっと一つ目の脱出孔を確認した。その後23日には、朝にはなかった穴が昼休みに見に行くと二つも開いていた。どうも午前中が脱出のピークと睨んでいた。今日は週休日で、気温も上がり、その木に張り付く覚悟でいた。しかし、午前中は空振りで、時期的にもう遅いのではと考えはじめていた。コナラの株立ちとにらめっこをしていると、ウマノオバチが飛んできて、しきりに産卵の探索をしていた。しかし、この木には現在幼虫がいないことは食痕の様子から明らかであり、ウマノオバチも何をたよりに幼虫を探しているのだろう。さすがに一日コナラと向き合う気にはなれず、午後の脱出も可能性は低いとみて、満開となったムシトリナデシコに集まるチョウを追っていた。2時半を回ったころ、園内の発生木を一回りチェックして帰ろうと思い、午前中とは別の木を見に行った。そして、その木を見て驚いた。今まさに穴から出ようとしている場面に出くわしたのだ。とりあえずだが、「脱出シーン」という課題をクリアーしたが、なかなか想定外の連続であった。穴から出てきたのは大きなメスであった。