2009.8.13 アブラゼミの死

今日は午後に休みをもらい、再び小平の親水公園へと向かった。セミの生活史で、交尾のシーンがなく、それが撮れればラッキーだが、そんな簡単に撮れるものでもなく、うろうろと樹上を眺めながら歩いていた。サクラの枯れ枝やカツラの樹皮に産卵するメスが多数いて、発生期としてはかなり末期に来ている印象を受けた。ちょっと前に、セミの羽化の観察会の準備であちらこちらで幼虫を探したが、やや標高が高い小平は、平地に比べて羽化のピークが早いように感じた。低山地は春が遅く、しかも秋が早い。夏の昆虫たちは迫りくる秋に備えてライフサイクルも早めているのだろう。寿命を迎え、地面に落ちたセミも目に付いたが、ふと見上げた樹上で不思議なポーズで息絶えたアブラゼミを発見したのだ。なにかに引っかかってしまったようにも思えたが、なんと、体を支えているのは樹皮に挿しこまえれた産卵管であった。産卵しながらに息絶えたアブラゼミであった。以前、カブトムシもセミも現実的な寿命に大差なないなどと書いたが、セミの潜在的な寿命の短さは、カウントダウンの中で生きているようなせわしなさだ。極端に長い幼虫期と、短い成虫期。しかし、それがセミの時間なのだ。刻々と迫る残された時間の中で、一つでも多くの卵を産み残そうとする母ゼミの執念を感じずにはいられなかった。



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