朝の気温は低く、だいぶネタ探しの苦しい季節となってきた。それでも使える時間を歩かなければ出会いもない。やっと朝日が差し込んだフィールドで出会えたのはキイロアシナガバチのオスであった。イチジクの葉上で、熟した実のかけらをなめていたが、おそらく昨日の夕方からそのまま一夜を過ごしたのであろう。同じ木にはもう一匹同様のオスがいた。社会性があるアシナガバチもこの時期はすでに巣から離れ単独生活だ。決して「気まま」ともいえないが、少なくとも自分自身の考えの中で行動を起こし、生きている間、チャンスがあれば交尾をして遺伝子を残そうと、オスとして孤独でありながら自由な日々を送っているはずだ。そんな姿は、ある意味うらやしくも、また、さみしくも感じさせた。