2010.3. 7 ゴキブリコバチ

最近、バックヤードに小さなハチが飛び回っているのが気になっていた。捕まえてみると明らかに寄生バチらしい形をしている。そこでピンとひらめいたのがゴキブリの卵に寄生をする「ゴキブリヤセバチ」ではないかいう憶測であった。すぐにゴキブリの卵を用意して実験してみたいと思ったが、そういう時に限って卵はなかなか見つからなかった。数日前、引き出しの中から卵(卵梢)を腹の先につけたコワモンゴキブリを発見し、これは実験にうってつけと思って産みたての卵を確保しておいた。そしていよいよ飛び回るハチを捕まえて卵との対面を試みたのだが・・・。まったく卵に関心を示さず、なんかおかしいぞと思ったところで同僚が「そのハチはアオムシコマユバチだよ」とあっさり言われてしまった。言われてみれば確かにその姿はコマユバチで、ゴキブリヤセバチの姿と照合してみたら別物であった。以前に野外から回収したモンシロチョウの幼虫を管理していて、逃げ出した個体から発生したコマユバチであろうという結論で収束し、単なる思い込みと早とちりであったわけだ。ずいぶん長い前置きとなったが、その時実験に使った卵は、そのままデスク上の板の上に放置したままであった。なにげなくそこを見た時、微小なハチが乗っていることに気付いたのだ。なんとその正体はゴキブリコバチで、もう一つのゴキブリ卵寄生バチであった。とんだ的外れの代替えのごとく忽然と現れたゴキブリコバチ。不思議な出会いであった。



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