2010.5. 8 モンカゲロウの亜成虫

5月連休が一段落したのもつかの間、一週間後には企画展が始まる。だいぶ陽が長くなり、少し早起きをして、フィールドでぶらりと歩くことが最高の息抜きである。日に日に目に触れる昆虫が多くなるのがこの時期で、今日はモンカゲロウが羽化を始め、亜成虫が川筋のクサヨシに点々と止まっていた。今度の企画展「昆虫たちが生きた4億年」のパネルを作りながら、このカゲロウもほぼ3億年前からほとんど姿を変えていないことにも触れている。石炭紀に栄えた昆虫たちの中には、ペルム紀には絶滅をたどった種類が少なくない。ゴキブリやバッタ類のような強かな昆虫は、生き延びたこともうなづけるが、カゲロウのようないかにも華奢な昆虫が、過酷な地球環境の変化を生き抜いてきたという事実は、見た目ではなく、内に秘めた生活力があるに違いない。成虫は何も食べず、数日という寿命の中でもう一回脱皮をし、成虫となって交尾、産卵するというとてつもないせわしなさである。しかし、それも人間から見た目線であり、わずか5百万年前後の歴史しかない人間に言われたくはないだろう。



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