2010.6. 3 ヤマトシリアゲ

昆虫の森でシリアゲムシが毎年多い場所がある。それは、ニセアカシアの林にある人工的につくった池の周辺なのだが、幼虫期を土中で過ごすため、湿り具合に敏感な昆虫のようである。開催中の「昆虫たちが生きた4億年」では、ペルム紀に出現したもっとも起源が古い完全変態を行う昆虫としても紹介している。三畳紀あたりの発掘される昆虫化石からは割合多く出てくるようだが、現生の昆虫としては環境にデリケートなせいかやや劣勢ともいえる。朝、そんな池のほとりのクヌギの葉上で、何者かの捕食跡ともいえる昆虫の死体から、盛んに吸汁するヤマトシリアゲを発見した。さらに今日のパネルデータ製作での調べ物で発見した事実が、シリアゲムシの先祖から枝分かれしたのがノミ類だという。昆虫という生き物の変幻自在なその進化と、一方で変わらないという道筋をたどる特性をあらためて不思議に感じた。



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