2010.6. 8 ゴイシシジミ

曇りではあったが、夕方になって園内を一回りする気になった。ササがはびこる道脇で、ゴイシシジミの姿が目に入った。以前、昆虫の森が整備される前はたくさん見かけたが、下刈りが行なわれることによって個体数を減らしたチョウである。葉裏に付いたササコナフキアブラムシの集団に口吻を伸ばし、甘露をすすっていた。すぐとなりにもアブラムシの集団がいたが、ここではアミメアリが甘露の受け取り手であった。その中をよーく見るとゴイシシジミの幼虫も集団に紛れていた。幼虫はこのアブラムシだけを食べて育ち、成虫はその甘露を食物とするたぐいまれなチョウの生活である。新生代にガから派生したチョウというグループは、比較的アクの強い植物を食草とする種類が多いが、特定のアブラムシを主食とし、完全肉食として今日に至ったゴイシシジミは、進化の過程でなにがそうさせたのであろうか?その品のある姿からは「肉食系」のイメージは微塵も感じられない。



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