2010.6.17 クロオオアリの産卵

今日は、企画展のパネルデータ作りも大詰めでパソコンと向き合いながら、しきりに傍らのあるものをチラ見していた。数日前にクロオオアリの新女王が手に入り、人工巣にセットして産卵の瞬間をねらっていたのである。多いときは一日に数個産むが、その前兆が、腹部をくの字に折り曲げるポーズなのだ。データづくりに熱中してくると、ふと、確認する作業が頭から飛んでしまうことがあり、「あっ!」と思って振り向いた時だった、女王アリは腹部をくの字曲げていたのだ。あわててファインダーを覗くが、どうやら産卵はまだしていないようである。このポーズをしたとしても、腹部先端の掃除をしてもどることもあり、必ず産むとは言えないが、女王アリの口元の動きから、これは産卵するなと見込んだ。腹部先端からゆっくりとゼリービンズのような卵が顔を出し、女王はそれを口で受け止めた。すでに産卵された数個の卵に重ねて、大切そうに俵積みにするその表情は、やさしい「お母さん」の顔であった。



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