2010.8.27 褐色型のハラビロカマキリ

採集の二日目早朝、朝飯前の時間を使って、宿の近くの海岸でコオロギ類を探しているときのことだった。こんもりとした大きなマサキの木の下でふと目に入ったのがハラビロカマキリの脱皮がらであった。いつも見る抜け殻と何かが違うと感じたとは、やや褐色がかっていたことだった。「ということは・・・」マサキのどこかに褐色型のハラビロカマキリがいるという証しでもあった。ハラビロカマキリの褐色型は極めてめずらしいタイプであり、過去にオス、メス各1個体しか出会ったことがない。しかしながら大きなマサキの木でそれを探すのは簡単なことではなかった。目視でじっくりと見るが見つからず、枝をたたいて落とす戦法に切り替えたが見つからなかった。半ばあきらめて本来のコオロギ採集を続行し、引き上げ際になごりおしくもう一度樹上を眺めたときであった。一瞬、カマキリの脚らしきものが視覚から脳に伝達されたように感じた。もう一度よく確かめた時、カマキリの全体像が浮かび上がったのだ。実に感動的であった。それにしても上翅の斑模様はマサキの樹皮に似すぎている。このごく稀な褐色型を産みだす外的な要因とはいったい何なのであろうか?



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