2011.4.18 ダンゴムシの交尾とは?

身近なオカダンゴムシであるが、交尾に関する記述や、映像もはっきりとしたものがない。ちなみに同じ甲殻類のザリガニは、対面で抱き合うように交尾をするのでわかりやすいがダンゴムシではそのような行動は見られない。しかし、見るからに短いオスの交尾器がどのようにメスに挿入されるのか、いくらなんでもこれだけ身近な生き物でその決定的なシーンが見られないというのも不思議である。今日、水槽内のダンゴムシが面白い行動を見せてくれた。メスを抱え込んだオスが、触角を震わせて求愛のセレモニーと思われる行動のあと、貝のように閉じたメスの腹部を脚で開き、後部の脚を使ってメスの生殖器のあたりを探っていたのであった。オスの交尾器が届くような体勢ではなく、ひょっとして、何らかの形で、精子をメスに移すのではないかという仮説的なひらめきに転じた。なにか新発見につながるようなヒントがないものかと写真をモニターで拡大検証していたところ、とんでもないことに気付いてしまった。なんと抱え込まれていたメスと思っていた個体がオスであったのだ。たまたま間違っていた配偶行動なのか、それとも意図的な別の行動だったのか、キツネにつままれたような、ますます謎めくダンゴムシなのである。



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