一風変わったハエを見つけた。ひょうひょうとした白い顔で、「なにか用?」とでも言いたげな表情でこちらを見つめていた。何か無機的な無表情だからこそ、関心が向いてしまう不思議な顔である。ハエ類を調べることができる図鑑は北隆館の図鑑くらいかと思ったが、それらしきものは見いだせず、一緒に調べてくれたKさんが「これか?」と保育社の図鑑からそれらしいプレートを発見してくれて「マダラメバエ」にたどりついた。それほど珍しい種類でもないようだが、初めて出会えたハエであり、その姿もなかなかインパクトがある。昆虫界NO2の大グループ、ハエ目であるが、調べる資料はあまりにも少ないし、その多様な生活史は、いまだ未知の世界が多いグループともいえる。