10日ほど前、同僚がマンサクの枝にいたというシャチホコガの幼虫を持ってきてくれた。珍しくもないのだがなにを見せたかったかというと、縮小コピーしたような脱皮殻が傍らに付いていたというのだ。しかし、僕が見た時はその脱皮殻は跡かたもなく食べられてしまった後だった。それから、その幼虫は、机の上にポロポロと黒い糞を落としながら育っていき、忙しさにかまけて世話すらしなかったのだ。そして今日、ふと見ると、さらに脱皮を行い、抜け殻と並列する姿が目の前にあったのだ。多くのチョウ・ガの幼虫は、脱皮殻に形といえるものほとんどないが、確かにシャチホコガの幼虫は、その独特な形質を脱皮殻にも残していた。