土曜日から開催される、秋の野山の昆虫展を控え、園内で展示用のツユムシ類を採集している時だった。園路に張り出した大きなシンジュ(ニワウルシ)の木にさしかかった時、地面に落ちている無数の糞に気付き見上げることになった。シンジュを食草とする大型のイモムシはシンジュサンくらいだが、園内のシンジュでシンジュサンが発見された例はなく、多くはゴンズイであったりカラスザンショウであった。半信半疑で見上げた樹上で見つけたのは、まぎれもなく巨大なシンジュサンの幼虫であり、しかも5匹がぶら下がっていたのだ。シンジュサンはシンジュを食草とすることが、あたりまえでありながら、初めて確認できた瞬間でもあった。