エンマコオロギの撮影セットをつくり、作業の傍ら横目で様子を見てはシャッターを切っている。コオロギ類全般に言えることだが、野外で鳴いているシーンを撮影することは難しく、セットをつくりながら、「ここで鳴いてくれ」というステージをつくり、あとはコオロギと対話しながらの根競べとなる。オスを多く入れるとケンカ鳴きが激しく、鳴いてはくれるがなかなか思った場所では鳴いてくれない。メスを放ち誘い鳴きも試みたが、誘い鳴きは翅を立てる角度が緩く、画としては物足りないのだ。にらめっこが続く中で、会心のショットはいまだに撮れない。