企画展に向けて展示する標本の整理をしていて、自宅の物置にしまってあった２０年前の標本を思い出し、展示に使えるものがないかと引っ張り出した。懐かしい豊島園昆虫館時代につくった標本と久しぶりに対面した。当時、昆虫館によく遊びに来てくれたＮさんは東京の人だったが、夏になると大阪に行き来して、能勢産のクワガタムシを土産に持ってきてくれていた。そんな中に大きなノコギリクワガタがいて僕にプレゼントしてくれた。1990年から1993年くらいの夏の出来事だが、とりわけかっこいいと感じた個体を大事に標本にしておいたのだが、２０数年たってその標本を懐かしくもしげしげと眺め、最近はこんな個体は見られないとあらためてその貴重さを痛感した。体長は６９ミリで７０ミリには及ばないが、なにしろプロポーションがいい！そんな２個体の標本写真をきっちり撮っておこうと思い立った。