企画展の準備で、田んぼのパネルに着手しているのだが、田んぼを利用する昆虫として水際という環境に依存する昆虫を入れて見ようと考えた。カタビロアメンボやらミズギワカメムシやら小さな昆虫ばかりだが、そんな昆虫たちをまとめて撮影しようと田んぼの水際に向かった。小さいが数は多いので、探すのに苦労はなく高倍率のシステムでその場で素材を撮りはじめた。すると、やけに大きな・・・といっても4ミリ弱の大きさだが見慣れないカメムシ類が眼に入った。「これ、もしかしてメミズムシ?」と頭の中の昆虫図鑑が判断した。カメラで追い掛け回して見ると、歩きながらも時折ジャンプをして移動もできるが、水に着地するとずいぶん不器用に泳いで上陸した。たまたま高倍率システムだったので全体像を撮りつつ、こちらを向いて畦を上る表情を思いっきりアップで寄ってみた。すると、タガメかカマバエを思わせるけっこう怖そうな顔つきでいながら、眼の色が虹色で美しく輝いていることに気が付いた。