水生昆虫の調査と採集を兼ねて栃木県の市貝町方面に向かった。夏に戻ったような気温の上昇の中、胴長を履いた暑苦しいいでたちで、歩いて地図上の池を目指していた。しかし、たどりついた場所は、ほとんど水がない池で、即Uターンというまったく報われない結果であったが、途中の休耕した荒地はセイタカアワダチソウ群落で、オオカマキリの卵がいくつも付いていた。せっかく来たので冬の展示用に採集しようということになった。当然成虫のオオカマキリもちらほらいたのだが、突然、オスを頭からむさぼるメスが目の前に現れた。「キャメラ!取りいくぞ!」と興奮気味に叫びつつ、ダッシュで車に戻った。このシーンは過去にも何度か見ているが、カマキリの象徴的な1シーンであり、撮らずにはいられなかった。発見した時点で交尾器は外れていたが、頭がないオスは必至に腹先をくねらせてメスへの最後の交尾にチャレンジしていた。そんなシーンを撮影しつつ、そのすぐ脇では、なんと産卵するメスまで見ることが出来た。