つづられたヨモギの葉を見つけ、ヒメアカタテハの幼虫か?と思いきや、そっと開けて見ればコロギスの幼虫であった。そろそろ落葉を始めた樹種もあり、越冬を控えて地上を歩き、たまたま行き着いたねぐらだったのかもしれない。このコロギスの生活史を詳細に観察した例は少なく、そもそも一昔前は幼虫越冬のみと考えられていたが、産卵させて見ればその年には孵化せず、卵でも越冬することがわかった。かれこれ12~3年前の話だ。そして越冬幼虫の齢期だが、自分が調べた飼育下では5齢期であった。コロギスの越冬齢期にばらつきはないと見ているが、近縁のハネナシコロギスは越冬齢期に幅があるようで、大きさがまちまちのように思っている。直翅類は分類が飛躍的に進んだようだが、生態的研究がもっと盛り上がると面白い世界だと思う。