2016.5.16 アサマキシタバの繭

仲間たちと長野県の上田市に向かった。NHK大河の真田丸が盛り上がるさなかではあるが、上田城を見る余裕はなく、一行は山中へと向かった。第一の目的は、ニホンセセリモドキの幼虫を見ることであったが、ここは、現地に詳しい先生にご案内いただき、いとも簡単に達成することができた。時期もよく、様々な蛾類幼虫が次々と見つかるよいフィールドで、一行は皆、ご満悦であった。ご案内いただいた先生は、見慣れた風景にクールな表情で歩いていたが、その先生が食いついたものがあった。見つめる低木のミヤマハハソの目線の先には、葉を数枚つずった祖繭があった。「なんですか?」と訊ねると、「これを野外で見た人間はそうはいない」と笑みを浮かべていた。葉を一枚だけめくると網状の透けた繭の中に粉を吹いたような前蛹がいた。謎解きの問答は続き、「この幼虫とミヤマハハソは関係ない。この幼虫が付いていたのはあの木だ!」と崖の上のコナラを指差した。」「もしかしてアサマキシタバ?」の答えに「そのとおり」とやっと回答にたどりついた。日本産カトカラ属としては、樹上に繭をつくる唯一の種ということで、貴重な場面を見ることができ、すっかりとお世話になりっぱなしの中、上田市蛾類幼虫散策会は盛り上がった。



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