2017.9.25 オオシモフリエダシャクの幼虫

オオシモフリエダシャクの工業暗化は、「19世紀後半から、ヨーロッパの工業都市が発展するにつれて、その付近に生息するガ(蛾)に暗色の変異が増加した」という自然選択と進化を提唱する有名な話である。そのオオシモフリエダシャクは日本にも生息し、蛾類図鑑にも登場するが、最近まで見ることはなかった。昨年の夏、麦草峠でライトトラップを行ったとき、小ぶりなBISTON属がそこそこ飛来し、後に調べてオオシモフリエダシャクであることが判明した。日本では、標高が高い落葉広葉樹林に生息し、ヨーロッパのような身近な蛾ではないようだ。そんな幼虫を確認したいと思いながら採卵なども試みたが卵は孵化しなかった。先日、水上を訪れたとき、ミズキをビーティングして落ちた、気になるシャクガ幼虫がいた。頭部には2本の突起を備え、BISTON属の特徴を示していた。「もしかしてこれは・・・」その後、一回の脱皮を行い体長が5cmほどに成長した。確信は持てないが、おそらくこれこそがオオシモフリエダシャクの幼虫であろうと推測している。



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