昨年の10月3日にドングリを食べていた不明シャクガ幼虫をアップしているが、その後に羽化しカギバアオシャクであることが判明した。そして今年も同じ木で再び幼虫に出会うことができた。背中にある控えめの突起は、春の姿とは大きく異なり、ドングリの先端の尖りにそっくりである。秋に育つ幼虫は、葉は食べず、ドングリに擬態しながら内部の実を食べることが明らかになってきた。冬は冬芽に化けながら越冬し、春先から冬芽の内部を食べて育ち、若葉の展開にあわせて姿を変えながら育つばかりか、秋はドングリに姿を似せてドングリを食べるという、かなり凝ったホストとのシンクロ擬態を行っていることになる。カギシロスジエダシャクのシンクロ擬態は有名だが、季節で姿を変えるカギバアオシャクはさらに上をゆくシンクロアーティストではなかろうか。