昨年の夏に、クルミの葉裏で見つけた派手なコブガ科幼虫がいた。ドクガを思わせるかなり特徴的な外観にもかかわらず、幼虫図鑑の記載は見つけられなかった。ちょうど同所でのライトトラップでコマバシロコブガがいくつか飛来していたことと、クルミ単食の大型種であることからコマバシロコブガという同定に至った。掲載種が乏しいコブガ科として、NEOイモムシ・ケムシには是非掲載したい種であり、幼虫形態の照合がないまま進めることになった。今年の春のライトトラップで採集したメスを採卵し、いよいよ確認できる機会を得たが、1cmの大きさに育った時点で、まったく黄色い色彩が出なかった。図鑑製作が進む中、いまさら違ったとは言えない段階まで進んでいて、ちょっと心配になってきた。そろそろ終齢だろうと覗き込んだ葉裏に、やっと予定通りの姿があり、ほっとした。