昨日からの雨もやみ、天気が回復する境目の朝であった。冷たい風が強く吹きつけ、ちょっとためらったが早朝フィールド散策に出かけた。
変な話だが、この冬になってあまりまじめに冬越しする昆虫を探していない。昨年は枝先などをくまなく見てまわりシャクガ幼虫やミドリシジミ類の卵をよく探したものだった。そんなこともあり低い枝が多い萌芽更新区に行ってみることにした。歩き始めてすぐさま、真正面に現れたのがウラギンシジミであった。
常緑樹の葉裏で越冬することが多いが、本来であれば落葉してしまうはずのクヌギの葉裏にしっかりとくっついていた。クヌギやコナラの幼木や萌芽は春先まで枯葉を落とさない性質があるが、そんな場所を越冬に選んだようだ。しかし、ここで不思議に感じるのは、ウラギンシジミが活動し越冬場所を決める時期には、雑木林全体としてまだ落葉が始っていないのだ。以前も落葉しない性質のヤマコウバシの葉裏で越冬する個体を見つけたことがあるが、ウラギンシジミは冬になっても葉が落ちない場所をどのように選んでいるのだろう?