2009.1.18 「無変態」ヤマトシミ

昆虫の森見直しの一環として、展示効果が低く維持費がかかる映像トンネルが今年度で廃止となり、それに代わる展示を年度内に仕上げるというとんでもない仕事が発生した。お金がない、時間がない、ないないづくしでいったい何ができるのか?そんなことを言っていてもはじまらないので昨年末から準備を始めている。考えた展示プランは実にシンプルな昆虫の起源からはじまるベーシックな展示内容で、ようやくパネルデータに着手しはじめたところなのだ。「昆虫の成長のしかた」では定番の無変態から完全変態を解説するのだが、無変態の代表であるシミの成長を白バックで説明したいと思い、多摩の昆虫園にお願いし、シミを分けていただいた。世間一般では害虫扱いだが、ゴキブリのようにどこでもいるわけでなく、見たいと思っても見られない、近年では珍しい家屋内昆虫のようだ。しかも生きた化石であることは言うまでもなく、しげしげとシミを眺めながら地球の歴史、そして数億年に至る昆虫の歴史にロマンを感じつつ、少し楽しみながらデータを作っている。肝心なのは、このシミに卵を産んでもらい、卵の写真をしっかりと撮らなくてはならないという課題が残っているが、いまだに卵らしきものは見当たらず、どんな卵を産んでくれるのか今から楽しみにしている。

PS
「ヤマトシミ」としたが、いろいろと調べると「セグロシミ」のようです。  09.2.4



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